高校国語の思い出
もう大学生の息子や娘がいてもおかしくない、
いい年齢だが、
淋しき万年独身の私は、
つい先日、
いい感じの大学受験用漢字ドリルを書店の学習参考書棚から見つけ出して、
恥ずかしい気持ちを隠しながら思い切ってレジにもっていって購入した。
自分の書いている小説原稿が、
いつも基本的な漢字しか使っておらず、
なんだかそれが恥ずかしくなって、
日本語の語彙を強化したいと思ったから、
私は漢字ドリルを買った。
久しぶりに、
かなり久しぶりに学習参考書なんか手にして、
それを眺めていると、
遠い過去のあの時代のことが思い出された。
中学時は勉強が嫌いなのに教育熱心な親に勉強を強制され、
それでどうにか高校は進学校に入ったのだが、
「義務教育は終わったから」と言って、
まったく勉強を放棄して私はすぐに落ちこぼれ、
自分のロックバンドの活動にばかり夢中になっていた高校一年、高校二年、
学年が三年生にあがって、
たまたま自分のクラスの国語古文を担当した定年間際の先生が、
なんだかとっても優しく面白おかしい素敵なおじさんで、
私は彼が大好きになり、
そしたら急に国語の勉強も楽しく思えるようになった。
そして今度は、
誰に強要されるでもなく、
自分からすすんで勉強を楽しむようになった。
その後、
私の全科目の中で国語の成績だけがみるみる上昇していった。
漢字ドリルを手にしていると、
あの時代がとても懐かしく愛おしい、
宍戸先生、
ありがとう。
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