2022年11月8日火曜日

ある女性(ひと)に

 ある女性(ひと)に

 

 

また、君を思い出しながら、

あの町をひとり歩いた。

汲みつくせぬ想いは、

かわらずそこにあった。

きっと君はいまのぼくを見て笑うだろう、

長い年月、

少しも変わらないでいたことを。

それでもいい。

君がくれた、

けっして色あせることのない、

微熱を帯びたあの詩情は、

永遠とは何かを教えてくれる、

かけがえのないもの。

これからも、

ぼくはそれを時折胸によみがえらせながら、

秋の風の中を生きていくさ。



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