神秘と愛と人生への凝視
悪
かなしみの季節の音楽を纏った、
前世の記憶。
でもそれだけではなかった。
君がぼくの前に再び現れたあの日、
ぼくに予感させたものは。
夢の奥底に垣間見た、
宇宙の裏側。
君は生まれたままの無邪気さで、そこにぼくを誘惑した。
その美しい微笑は、
甘味な悪の歴史のようで、
ぼくはそれに溺れて立ち尽くすだけの、
時間のからくりに翻弄される、かぎりなく小さな存在。
そしてそれは半年のあいだ続いた。
しかし、
激動に心を焼き尽くされたのは、
ぼくひとりではなかった。
君も同じだった。
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