2007年東京
ぼくは、
大学を出てからも、
絵を描き続けるための時間的自由を確保するため、
いつも定時で退社できるアルバイトや派遣の仕事しかやらなかった。
2007年、
ぼくは、
子供が好きだったので、
昼は学童保育指導員の派遣の仕事をして、
夜に絵を描く、
そんな生活をしていた。
しかし、
悩み事があった。
ぼくが配属されていた学童施設の主任が、
どうにもおしゃべりが好きな人で、
ほとんど毎晩のように勤務時間が過ぎても、
別にやるべき仕事が残っているわけでもないのに、
スタッフを巻き込んで延々とミーティングを長引かせるのだった。
ぼくは毎日、
一秒でも早く家に帰って絵が描きたかった。
「これじゃ残業に明け暮れてる正社員サラリーマンと同じじゃないか!」
子供が好きなのと、
それとこれとは別問題だった。
ぼくはフラストレーションでいっぱいになっていた。
あるとき、
限界が来て、
派遣会社のスーパーバイザーに、
自分の悩みをぶちまけた。
彼は、
同僚たちの間で、
「すばらしい人間性の人」と噂されていた団塊世代のおじさんだった。
彼は黙ってぼくの言い分を聞いていた。
それから少し経って、
ぼくはスーパーバイザーから呼び出された。
ゴロウ君、君は、才能はあるのかもしれないが、・・・冷たい人だね
ゴロウ君、君は、才能はあるのかもしれないが、・・・冷たい人だね
ゴロウ君、君は、才能はあるのかもしれないが、・・・冷たい人だね
それから間もなくして、
ぼくは本当に、
その派遣会社をクビになった。
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