メタルドラゴン
幻惑のパースペクティブの向こう側から、
こちらの頭上に落ちてくるメタルドラゴン。
金属でできたような龍。
何度もこちらに落ちてくる、
その反復映像。
もちろんドラゴンは何も語らない。
何も教えてくれない。
まるで極上のアート作品のように。
始めにあった恐怖は気が付けば薄らいでいて、
ぼくはいつしかメタルドラゴンのボディの輝きに見とれていた。
すると自然とだんだんわかってきた。
この驚異のメタルドラゴンは、
あっちの世界に住む自分自身の姿なんだということが。
メタルドラゴンは完全無敵だ。
ということは、
ぼくは完全無敵だということだ。
ぼくが無敵なら、
生きとし生ける誰もが皆無敵な存在のはずだね。
幻惑のパースペクティブの向こう側から、
そんな悟りが聞こえてきたよ。
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