2022年11月27日日曜日

宝物のブルース

宝物のブルース

 

 

七転八倒してどうにかして手に入れたと思っていた宝は、

以前に持っていたものと全く同じ物だった、

 

A君の至上の喜びは、

B君にとっては残念賞にすぎない、

すべてに脈打つ相対性、

知れば何でも許せるのか、

 

授業をサボって仙台に出て、

地下歩道のベンチでひとり詩を読んでいたあの頃、

記憶、

その下の記憶、

そのまた奥の記憶、

 

涙の届かない領域、

 

仙人のように黙って暮らした三日間、

頭に描いた孤独のエッセイ、

あいつだけが理解者だった、

 

がむしゃらになってようやく手に入れた宝は、

昔持っていたものと全く同じ物だった。



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