2023年10月22日日曜日

詩に書かれた男

詩に書かれた男

 

 

孤高を気取って群れから逸れ、

手にしたものへの感謝を忘れ彷徨った青春、

かつて一度は女の慰めにすがれた時代もあった、

彼女の胸元で終わりがないほどに涙を流せた夜もあった、

しかしそれも束の間、

お前は前世から引き摺った悪徳の清算のため、

結局は誰にも頼らずに答えを探し求めなくてはならなかった、

七転八倒、

伝記の中にはブルースが木魂し、

油断した心の隙に悪魔が入り込んだ、

形而上学的不倫、

溺れた夜の出来事、

人は愛から遠く離れれば離れるほどに愛を考えさせられる、

神の姿が見えず、神を恨んだ日、

書を捨て虚無と共に暮らしたアパート、

歌われない歌はないはずだった幼き日の思い出も、

心を通過し行方不明になってしまった、

そんなこんなで、

大いなる闇を胸に抱えたお前は、

詩を書くのではなく詩に書かれる日まで、

嵐が過ぎ去るのをじっと待つしか方法はなかった。



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