ある伝記
ロックンローラー失格になったお前は、
27歳で死ぬことを考え、
駅のプラットフォームから線路めがけ躰を飛び込ませようとして、
寸前で思い留まり、
命拾いをした、
その後は別人になったかのように、
かつて何よりも愛し胸焦がした音楽をきっぱり捨てて、
また別の道を歩み始めた。
君は大人になった、
いや、
さいしょから大人だった、
人生は本人には見えない幾つもの章の区分があり、
その間を跨いで、
成長ではなく変化を繰り返していく、
君は君だけの人生をフルに生きて、
君の伝記を芸術にまで高めた。
もう後戻りする必要はない。
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