魂だけが知っている
雨音と、
カーテンを閉める音とが重なり合い、
遠い過去の、
夜の心の静けさの記憶が呼び覚まされる、
私には人生のすべてが謎だったあの日、
今では問いのほとんどに答えが出ている、
ああ、
夢は夢として、
未完成のままがいいのか、
触れたかったものを触れないままが賢明なのか、
一昨年の傷は癒えた、
明日の気配はそこにある、
全てが自然な速さで進む、
若さとは感受性の奴隷なのか、
老いとは味わい尽くすことなのか、
天使の衣を着るチャンスは、
ただ一瞬垣間見ただけ、
俗の中に慰安を覚える、
魂だけが知っている。
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