神秘と愛と人生への凝視
電線
二階の部屋の窓から見える電線の上にとまっていたのは鳥ではなかった、
ぼくの使い古しの萎びた孤独だった。
濾過されたあとに残った、いくつかの恋の思い出を糧に、
あまりに長い年月がここで過ぎ去っていった。
電線の上にとまっていたのは鳥ではなかった、
それは望んでみても手に入らなかった、
おさなごの無垢の夢の幻だった。
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