神秘と愛と人生への凝視
15の頃
この田舎町の、
駅のベンチに一人座り、
友人の姉に片恋していた昔々の日々を思い出していた。
あれからどれほどの時が過ぎたのか。
音のしない、
優しくもなく冷たくもない追憶の風。
男はすべてを手に入れ、
いずこかに消えた。
この田舎町は、
どんな小さなドラマも、
ただ無言で受け入れる。
彼女は男の自転車のうしろに乗って、
輝く未来へとその気高い魅力を振りまいた。
とり残されたぼくは、
ひとり詩をノートに書きとめるだけだった。
0 件のコメント:
コメントを投稿