恋
恋という感情から長く遠ざかっていれば、
気ままに懐かしくもなり、
「恋っていいよね」「恋したいな」などと呑気な肯定的なつぶやきができるものだが、
ひとたび新たな恋が始まれば、
またおなじみの嫉妬心やら独占欲やら何やらで、
喜び以上に苦しみに多く苛まれる日々が始まってしまう。
それでも人は恋するときには恋をしてしまう。
男が身を焦がしている間、
女は倦怠に身をまかせスマートフォンをいじっている。
男が遠くでこっそり泣いている間にも、
女はどこかで誰かと何かのことでくすくす笑っている。
恋の詩は誰が書くのか、
愛の歌は誰が歌うのか。
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